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マツクルライトノベル『蝶の沓』91夜

第10章『蹊』91夜



部屋は本館から渡り廊下を渡った離れだった。
10畳の和室とは別にベッドルームが付いていて、窓からは冬の太陽にきらめく太平洋が見える。
専用の露天風呂もあり、そこからも海が見える。
私は嬉しくて、本当ならばすぐに部屋のあちこち、クローゼットやトイレや引き出しや棚やをチェックしまくりたかったところだけど、そんなの、大人げないし、いかにも旅慣れしてないのがバレバレな感じがして、仲居さんが宿の説明と食事の時間の確認をして部屋から出て行くのをもじもじしながら待った。
仲居さんがいなくなると私は浴室を見に行った。部屋付きのわりに洗い場も広く、浴槽からはヒノキのいい香りがする。
ベッドルームも和モダンというのかしら?シックで、ボリュームのある羽根布団は見るからにフカフカしていた。
一通り、部屋を見ると、私は窓際に立っている畠さんに抱きついて、

「ステキ!ステキ!海が見える!お風呂からも!ステキ過ぎ!」

と子供のように飛び跳ねた。
それから、あっ!と気付いて、「お茶入れますか?」と聞いた。

「いや、なんにもしなくていいよ。」

畠さんが穏やかな声で返してくれる。

「明日、19時半に店に行けばいいんだよね。今夜はなんにもしないでゆっくりするといい。温泉に浸かって、海見て、美味しいもの食べて。たまにはのんびりしないとね」

畠さんは私の腰を抱いてゆらゆらと右へ左へとスウィングさせる。
私はつま先立ちになって、畠さんの顎に唇を寄せると、畠さんも少し屈んだ形になって、やっとキスが出来た。

「お風呂、一緒に入りたいな」

私は勇気を出して言ってみる。

「僕はいいから、一人で入ってくるといいよ。その露天もいいけど、大浴場もなかなかいいよ」

「一緒に入っちゃダメ?」

「ダメ」

「どうしても?」

「どうしても」

暫く押し問答して、私はふてくされながら、部屋付きの露天風呂に入ることにした。
右足からそろりと湯に体を沈ませていくと、皮膚がじーんとして私は思わず、息を漏らしてしまう。
「こりゃあ、極楽じゃね」といつかおばあちゃんと行った鬼怒川温泉を思い出す。
あの時は下に鬼怒川が流れていて、それはそれで風情があったけど、180度オーシャンビューのこの眺望!これは、おばあちゃんも感激するに違いない。
天国にも昇るような気持ちの良さに、私はもう一度、ため息を漏らした。

ひとしきり露天風呂を満喫すると、私は浴衣に袖を通した。
浴衣はフロントで好きなものを選べたので、赤地に小桜と蝶が舞う浴衣を選んだ。
花文庫に帯を結ぶと、鏡の前で髪を直す。
最近は自分で髪を結いあげることにも慣れてきた。
私は三つ編みを作ってから、それをつむじのところでお団子にしてシュシュでまとめた。それから、和室に戻ると畠さんの姿が見えない。
洋間のベッドルームを覗くと、畠さんは眼鏡を掛けたまま眠っていた。
私がそっと眼鏡を外そうとしたその時、畠さんの手が私の手を掴み、自分の方へと引き寄せた。
「あっ!」と小さな悲鳴をあげて、私の体はそのまま畠さんの胸へと倒れこみ、畠さんに抱きしめられた。
容赦のない雨のように、畠さんのキスが私に降り注ぐ。
唇だけじゃなく、首筋や少し剥がされた浴衣から覗いた肩や鎖骨に畠さんの唇が吸いついてくる。
溜まらず、私は畠さんの頭を抱いた。

「瑠璃果、ごめん。我慢できない」

畠さんの手がスルスルと帯を解いていく。
浴衣の前を全部開かれると、急に恥ずかしくなって、私は目を固く閉じた。
背中を少し浮かせられて、畠さんが片手だけで器用にブラジャーのホックを外し、それを剥く。
露わになった胸を両手で隠そうとすると、その手を払われて、「そのまま!」と少し強い語気で言われ、私は畠さんの指示するとおり、払われた手を頭の上へ伸ばし、枕を掴んだ。
畠さんの大きな手が左胸を揉みしだき、唇は右胸を強く吸う。
私は体の内側がじんじんしてくるのを止められず、枕をさらに強く掴んだ。
もう恥ずかしさはなかった。私は畠さんのなすがままだ。
畠さんの指がどこに触れようと、舌先がどこを攻めようとすべてを受け入れた。
やっと畠さんと一つになれるんだもん。その喜びの方が大きかった。
触られてるだけで、最初の波はやってきた。
私が十分に感じているとわかると、畠さんはセーターとシャツを一緒に脱いで、それから、Tシャツを脱ぎ、ベルトを外して、下着を下ろして裸になった。
私は畠さんの何もつけていない体を初めて見た。
畠さんの胸から肩、二の腕、背中、太腿、そのすべてに絵が描いてあった。



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